主戦場をどこにするか。文化がある場所で戦うということ。

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日本で発表しても意味がない?

[Column] ペンネームでやるか、本名でやるか。(作家活動をするにあたって)
https://www.palm-trees.co.jp/2025/11/24/column-photo-handle-name/

以前こちらの記事にも書きましたが
今年は少しずつ作家活動を始めていこうと考えています。

すでにペンネームや屋号を決め、ホームページも作り
運営もスタートしています。

ただ一つだけ、ずっと胸の奥に引っかかっていた問いがありました。

「日本で発表しても意味がないのでは?」

初手からやる気を削いでくる、しかし残念ながら“事実に近い”問いです。

文化がない。そしてそれを作れる程のバイタリティと熱量は自分にはない

作家として活動するということは
プリント写真やZINE、PODなど、 何らかの形で作品を購入していただき

その収益をもとに活動を続けていくことを意味します。

ですが、ストックフォトのような商業写真ではなく
いわゆる“作品としての写真”は、果たして購入されるのでしょうか。

リビングに置く机を悩む人は多くても、 「リビングに飾る写真」を悩む人は
おそらく1万人に1人ほどだと思います。

これは写真に限らず、アート全般に言えることです。

結局のところ、

「アートを購入する文化が日本にはない」

この一言に尽きるのだと思います。

「ないなら作ればいい」という考え方もありますし、 発信を続けてファンを作り、コミュニティで物販や講座を展開する方法もあります。

ただ、私は写真講師をやりたいわけでもありませんし
コミュニティを作れるほどの熱量もありません。

と言いますか、正直、全くワクワクしないのです。

AIに相談してみたら、答えは驚くほど明快でした

こちらの質問内容

写真作家としての活動をするにあたって
日本と海外、どちらに発表の場を持つべきだと思う?
僕は経済的な部分は無視しちゃダメだと思うから
文化がある国で発表していきたいんだよね。

1. 「写真=趣味・SNS」のイメージが強すぎる

日本では写真が

  • “綺麗に撮る”
  • “映える”
  • “機材の話をする” という方向に寄りがち。

作品として鑑賞する文化が弱い。

海外(特にヨーロッパ)は

  • 写真=アート
  • 写真=思想
  • 写真=社会性 として扱われるから、そもそもの土壌が違う。

2. アートを“買う文化”がほとんどない

日本では

  • 家にアートを飾る
  • ZINEを買う
  • 写真集をコレクションする という文化が極端に弱い。

海外は逆で、 個人作家のZINEを買うのは普通の行為。
市場が育たないから、作家も育ちにくい。

3. 都市文化の成熟度が違う

日本の都市文化は

  • 商業的
  • ノイズが多い
  • “静けさ”を美学として捉える層が少ない

ヨーロッパは

  • 都市の孤独
  • 余白
  • ミニマル を美学として受け取る文化がある。

4. 写真教育が“技術偏重”で、思想・批評が育たない

日本の写真教育は

  • 露出
  • 構図
  • カメラの使い方 に寄りがち。

海外は

  • 作品の意図
  • 社会性
  • 文脈
  • 批評 を重視する。

だから「作品としての写真」が育ちにくい。

5. “空気を読む文化”が、個人の表現を抑制する

日本は

  • 個性より調和
  • 主張より無難
  • 表現より配慮 が優先されやすい。

写真は本来「個の表現」だから、 この文化と相性が悪い。

海外は “個の世界観を持つこと”がむしろ評価される。

そして最後にこう言われました。

「あなたの世界観は、日本だと理解者はいても市場は小さい。 海外の方が圧倒的に評価されやすい。」

↑ だと嬉しいですね!!

商業カメラマンとしての視点からも、腑に落ちる。

そしてこれ的を得ているなと思ったのが

4. 写真教育が“技術偏重”で、思想・批評が育たない
の部分。

作家活動をすると言っておいて矛盾してる様に聞こえてしまいますが

弊社でカメラマン(特にスチール)をお願いする時に
一番念頭においているのが

「作家性を排除できる人」になります。

つまり、商業ベースで考えると

「カメラマンの意図は」とか「カメラマンの作家性は」とかは
本当に邪魔になりますし、本当に要りません。

クライアントワークとして写真を撮っているので
クライアントの欲しい写真を提供するのが商業カメラマンの仕事だからです。

そして大変申し訳ない言い方になってしまいますが
作家性を強調してくる方ってテクニカル面が弱い方が多いので

納品される写真が商業ベースでは大変使いにくいんですね

つまり、日本で写真を撮って生計を立てていくなら
作家じゃなくて、商業ベースのカメラマンになった方が早いわけで

AIが教えてくれた

海外は、作品の意図、社会性、文脈、批評を重視する。

というのは日本で言うと「写真批評家」みたいなものになると思いますが
皆さん「写真批評家」と言われてピンときますか。

どなたが有名な方とか名前出てきますか?

私は全くピンと来ませんし、誰一人として知りません。

つまり、文化は多少あるけどニッチすぎるし
世界が狭すぎるので(面倒くさい)、そこを活動の収益に考えるのは無謀すぎると言う部分になってくるのかと思います。

AIが選んだ私の主戦場はイギリス

私の作風が最も評価されやすい地域を分析してもらった
結果がこちらです。

  1. イギリス
  2. ドイツ
  3. 北欧(オランダ・スウェーデン)
  4. アメリカ

そしてイギリスの販売サイトを教えてもらい、 そこで販売を始めました。

「このイギリスの会社は何で日本では販売しないの?」

AIに理由を聞くと、

「日本にはマーケットがないから、販売コストに見合わない」

と、またもや正論でした。

日本にも似たプラットフォームがありますが、 アクセスも反応もほぼゼロ。
文化の差を痛感し、すぐに撤退しました。

売り上げが立つのはきっとまだまだ先

今回行ったことはシンプルです。

  • ホームページを英語化(アメリカ英語推奨)
  • イギリスの販売サイトへ登録
  • ZINEをKindleで販売
  • 海外PODに登録

誰でも思いつくことですが、まずはスタートしました。

イギリスの販売サイトは有料なので、 正直、今年中に数枚でも売れてほしいというのが本音です。

ただ、Googleアナリティクスを見る限り、 アクセスは日本の比ではないので
「見てもらえる土俵」がある。 それだけで大きな違いだと感じています。

今後1〜2年かけて育てていくつもりですが、 発表の場を海外に置くというのは
今の時代にとても合っていると感じています。

文化がある場所で戦う。 自分の世界観が届く場所で勝負する。

その選択だけで、見える景色は大きく変わってくるのだと思います。

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